感情の継ぎはぎに憑依する(第2回インタビュー企画)
味噌さん
今回のゲスト
今回のゲストは感性依存型チルバンド『ユレル灰色』のギターリスト味噌さんに来ていただきました。今まで聴いてきた音楽やバンドのことを聞いていきました。カットしようとしたのですが、どこも面白くほとんどカットしていません。味噌さんとはお久しぶりだったのですが、一度音楽の話が始まると夢中でお話してしまいました。少し長いですが是非最後までお付き合いくださいませ。
告知
音楽の原点に回帰する
味 中学2年生くらいだったかな、小学生の頃は全然聴いていなかったかな
キ 僕も一緒だ
味 そんなに友達も多い方じゃなかったから、中学入ってから割と人と話せるようになって、話していくうちに音楽の話とか友達がしているからその影響で『GReeeeN』とかね『セカオワ』(SEKAI NOOWARI)とかをね聴き始めた
キ ああ、僕も聴いたわ中学の時『GReeeeN』聴いてた
味 聴いたよね、流行ってたし、『ファンモン』(FUNKY MONKEY BABYS)とかもね
キ ああ聴いてたな。『セカオワ』聴いたな。それで、中学生から『GReeeeN』とか『セカオワ』とか聴き始めたわけじゃない。今はバンドをやっているでしょ?そこにいたる経緯は中3とかなの?
味 一応、中2の『セカオワ』にドはまりした時に勢いでギターを買ったの。そんで、その時はギタボ(ギターボーカル)をやりたくて、深瀬が好きだったから。それで『セカオワ』を聴き始めて色々聴くようになって、そのタイミングで『RADWIMPS』と出会ったの。『RAD』を聴いていいなって。『セカオワ』はバンドっぽいサウンドじゃないから。バンドって良いかもしれないなって
キ たしかに、『セカオワ』はJPOPのサウンドに近いもんね
味 割と中二病だったから、『セカオワ』と『RAD』の中二病の要素が丁度重なって好きだったんだ。中学は軽音楽部が無かったから入れなくて、高校から軽音楽部に入ってって感じ。その時はまだギタボをやりたかったからギタボで入って
キ ギタボやってたの?
味 やってたやってた
キ やってたんだ!
味 そうそうそうそう(笑)
キ へ~今では想像がつかないな
味 ね、つかないよね。全然歌が上手くなかったから、『バックナンバー』(back number)とか『スーパーセル』(Supercell)とか『バンプ』(BUMP OF CHICKEN)とかもやったしRADとかもやったし。
音楽的な記憶を探る
キ 高校はずっとバンド三昧?
味 そうね
キ 聴いてた曲もバンドの曲?いわゆる邦ロック?
味 そうだね、その時にね『Halo at 四畳半』ってバンドに出会って
キ この前メジャーデビューした?
味 そうそう。インディーズの頃から応援してて
キ 味噌と初めて合って話を聞いてたときも何となく邦ロック好きなんだなってことはわかったんよ。高校でめっちゃ聴いてたんだなあって
味 そうなんよ、その通り
キ 僕もね高校の頃は邦ロックが全てだと思ってたからな
味 わかる
キ 違うんだけどね(笑)
味 そう違うんだけどね(笑)
キ 邦ロック良いけどね
味 そうね
キ 高校の頃はインディーズのバンドを結構掘り下げてた感じだね
味 そうだね
キ ちなみに他にインディーズは何を聴いてた?
味 インディーズは『サイダーガール』とか、このバンドも、もうメジャーデビューしちゃったけど。あとなんだったっけな
キ 僕は結構『シナリオアート』とか聴いてた
味 あーーいいね!あと『GOOD ON THE REEL』も聴いてた
キ あー言ってたね!あとは『sumika』とか聴いてた
味 あーめっちゃ聴いてた
キ 僕は高校の頃『sumika』が全てだと思ってたから
味 いいよね
ここ数年での音楽鑑賞の変化
キ 大学入ってから聴く曲は変わる?
味 めっちゃ変わる!
キ 変わるよね!
味 めちゃくちゃ変わる!
キ びっくりするほど視野が広がるよね
味 そうそう
キ 大学1年生だけでも視野が広がるけど、大学2年ってそれ以上に視野が広がるじゃない?大学1年のころはどんな音楽を聴いてたの?
味 大学1年はね。高校の頃から聴いてはいたんだけど、『きのこ帝国』とか、『相対性理論』とか『パスピエ』とか
キ 『きのこ帝国』は「東京」(曲名)?
味 そうそう
キ あの人の声が透き通ってていいんだ
味 割と『相対性理論』と『きのこ帝国』は自分が好きってのもあるけど、自分がやりたい音楽に近くて、音楽性みたいなものが好きだった。詳しいとかじゃないんだけど。
キ それ良いね。自分のやりたい音楽のかたちがあるって。そうか、確かに、今のバンドの印象として二つのバンドをルーツに持っている感じはあるもんね
味 そうそう
キ 大学2年生になってから聴く音楽は増えたと思うんだけど
味 めっちゃ増えた。前々からおしゃれ系も好きだったんだけど、最近は渋い系も好きなんだよね
キ 渋い系っていうと?
味 『never young beach』とかさ『Yogee New Waves』みたいなバンドかな
キ 『cero』とかもだよね?
味 めっちゃ好き
キ 大学2年生になって渋い系も聴けるようになっていったって感じだね
味 そうそう
人生に影響を与えた音楽作品
キ その中で今回のテーマにもなるんだけど、味噌さんの人生に影響を与えた音楽を一つ決めてきてもらったんだけど。なんていう作品なのかを教えてもらおうかな
味 あ~なるほどね。いや、まだ迷うな(笑)
キ 迷うよね(笑)まあ作品は2つでも良いよ。
味 やっぱね、『FoZZtone』の「レインメーカー」かな。めっちゃ良いのよ。もう解散しちゃったバンドで今はもう活動していないんだけど
キ 聞いたことないな
味 絶対聞いたことないと思う
キ このバンドはいつ出会ったの?
味 これはね大学1年の秋くらいから聴いてたな
キ なるほで、それで迷ってたもう一つの音楽作品はなにかな?
味 『バレーボウイズ』っていうんだけど
キ 聞いたことあるぞ。多分Twitterか、めっちゃ呟いてるよね?
味 ずっと言ってる
キ 曲は?
味 全部良いんだけど、一曲選ぶなら「渚をドライブ」かな
キ 一つ戻るけど『FoZZtone』はどんなバンドなの?
味 グルーブとはなにかってバンドなのよ、個々の技術がすさまじくエグイのはもちろん、それぞれがそれぞれのことを完全にわかりあって調和しながら楽しんでいるんだよ。全員が全員音楽をね。それが聴いているだけでめちゃくちゃ伝わってくるんだよね。完全に彼らの芸術って感じだよね
キ バンドに色があるんだね、聴いてみたいな、ちなみに『バレーボウイズ』はどんなバンドなの?
味 『バレーボウイズ』は昭和の歌謡曲って感じ。
キ 最近のバンド?
味 そう最近のバンド、去年出てきたバンドなんだけど……
キ 僕、結構歌謡曲好きなんだよね
味 60年代ポップみたいな感じで、結構渋いんだけどね、7人バンドなの
キ 多いな
味 男性ボーカルと女性ボーカルがいて、アコギがいて、リードギター二本で、ベース、ドラムって感じ。
キ ギターいっぱいいるな
味 去年出てきてこんなジャンルやるのかっていう衝撃だよね
キ どうしてもね、先に先にっていう潮流があるからね
味 最近はcity popも増えてきてるし、すごい好きだけど。
キ ブラックミュージックとかもだね
味 そうだね
最近聴いている曲
キ 最近聴いている曲は?
味 最近聴いている曲か
キ 結構ポップな質問だけど
味 また多分誰も知らないと思うんだけど、『浪漫革命』ってバンドがあって、「あんなつぁって」曲
キ これはどんなバンドなの?
味 これは、リードギターが二本いて、ピンボーカルがいて、ベース、ドラムって感じ。これもまたまた、渋い曲なのよ。なんだけど、めちゃめちゃおしゃれなこともするんだよね
キ 渋おしゃなんだ
味 そうなんだよ。僕の好きなところ集めましたって感じ。本当に最近聴き始めたバンドなんだよね
キ そういった新しいバンドとか音楽はどこから見つけてくるの?
味 好きなバンドの対バンからあさる
キ へ~!なるほど、そういう見つけ方あるんだね。僕とは全然違う見つけ方してる。僕はねラジオだな。ラジオのオンエア曲をプレイリストにまとめて、聴いてって感じ。ラジオの選曲が神すぎる
バンドの成り立ち①
味 成り立ちは今のボーカル、先輩なんだけど、今の大学の4年生なんだけど、その人が前に組んでたバンドがあって、『ひつじ屋さん。』っていうんだけどそのバンドがめちゃめちゃ好きで、ただのファンで、先輩カッコいいってずっと追いかけてたの。そのバンドが解散しちゃうってなって解散の前に先輩から声をかけられて、もちろんやりますという感じで
キ ボーカルの方は先輩だったんだね。ベースの方は?
味 ベースは社会人で先輩が前やってたバンドで対バンしたバンドのベーシストで同時期に解散しちゃってフリーになったから一緒にやらないって感じ
キ いいね。どんな方向性とかって話し合ったりしたの?
味 方向性はね、決まってんのかな……。
キ 結構ふわっとしたままのスタートって感じだね
味 そうだね、ベースの人も、一回変わったりして、サポートのドラムの人も一回変わったりしてる。まあ今のかたちが一番落ち着いてるから長くやっていけたらいいなって。若年層よりはちょっと上をターゲットにしてって感じは共通認識なのかなって。
キ 大学から社会人にむけてって感じだね。やっている音楽結構独特じゃない?
味 そうだね
キ 疑問なのが、みんながみんな好きな音楽をやっているのかなって
味 まあ、僕とボーカルの子が『きのこ帝国』が好きで、ベースとドラムの子が『cero』とか後ろノリの曲が好きだから。丁度、お互いの好きなものを辨図で描いたときの重なる部分をやれている感じ
キ その、一体感を感じる?
味 めっちゃ感じる。
作曲で意識していること
味 作曲するときも元の音源があってそれぞれがそれぞれ好きなようにアレンジするって感じ
キ へ~羨ましいな。いいね!
味 僕からしたら全員先輩だから、一応年上だしって気持ちが出ちゃうんだけど、ボーカルの子が最初の方に対等の立場で喋ってほしいからため口にしてほしいって言われて、そっからずっとため口で話してるし、逆にそういった上下関係の気遣いは音楽をやる上で邪魔になっちゃうのかなって
キ 年齢の差を感じちゃうと確かにやりづらいよね。ちなみに作曲の話が出てきたからそのまま、作曲の話に移るけど、ギターで作曲する時に意識していることはある?
味 本当に音楽理論を知らないから、完全に自分の世界に籠って、自分の中の感情をうわーって全部だして気が付いたら出来てる
キ あー天才か
味 継ぎはぎかな、感情の継ぎはぎかもしれない。自分にとっての音楽は
キ 名言が出たかもしれない
味 あははは(笑)
キ たしかに、Twitterでたまに上げてるギターの動画を見るけどかなり感情的に弾いてるよね。あれは、凄いよね
6/22 町田 The Play House
— 味噌 (@omiso_omission) June 24, 2019
めちゃめちゃの変拍子曲を持って行った時はどうなるかと思ったけど、
最高のメンバーのお陰で最高の曲になりました
迷宮ワルツ/ユレル灰色 pic.twitter.com/6Do6p1uI7Y
味 ありがとうございます
キ だから、感情の継ぎはぎっていう表現がとてもしっくりきた。あのギターのプレイスタイルって『きのこ帝国』にあったりしたの?
味 『きのこ帝国』ライブ行ったことないからわからないな、なんか誰かをマネてああしているじゃなくて憑依だよね、意識はしてない
キ 本来の自分かもしれないね
味 そうだな
キ それが音楽で出来るって素敵なことだよね。それでそれが出来る環境があることも素敵なことだな。
味 確かに
バンドの成り立ち②
キ 『ユレル灰色』の名前はどんな経緯なの?
味 名前は超適当
キ 適当なんだ!すごく考えているのかと思ってた
味 一応、白と黒の混ざった感情ってことにはなってる
キ それは後付けだったりするの?
味 まあ、後付けだな。なんにも思いつかなくて、前いたベースの人が適当に言ったから決まったんだけど。ユレルは入れたいって僕が言って、前のベースの人がタバコ吸ってたから灰色じゃね?ってなって
キ 意外と適当だった。曲を聴いてて、ユレル灰色っていうバンド名と曲がすごくマッチしているイメージがあるのよ、ライブも見て、曲も聴いてると名前とリンクするところがあって、特にそういうところを意識したりしているの?
味 どうなんだろうな、白と黒ってどの分野でもあると思うんだよね、生活しててもあるし生と死だったり結構その生死の狭間、ギリギリのところでライブしている感じはあるから。捉え方はそれぞれだとは思うんだけど、それぞれの捉え方で意識しているのかな
キ 最近出したのはシングルだっけ?
味 EPかな?
キ [夜ノ彩]。これはどんなEPなんです?まあ僕は聴いているんですけどね
味 一応、EPのテーマ曲は1曲目の「ゆれる夜、ひとり」なんだよね、この曲が一応『ユレル灰色』のテーマになっているんだよね、いつもライブの最後にやってる曲なんだよね。この曲をみんなに聴いてほしいし、夜をテーマにした曲が多いんだけど、それもあってこの曲がテーマになっている
キ なるほど
味 その時に作った曲で「♭lack」ってEPでは最後の曲があるんだけどこれが新曲だったの、このバンドで初めて作った曲が「春の風を待つ」だったんだよね。聴かせたい曲をどんと持ってきてって感じ
キ 紹介EP的な感じかな?
味 そうだね、それと未来に繋ぐというか「♭lack」って終わり感のない曲でもっとこれから進化していくんだよって感じを出したくてこの曲順にしたってのもあって。この「♭lack」って曲はベースのつるい君が作ってる。「♭lack」って曲でフラットって平坦って意味でラックって欠けてるって意味じゃんちょっと矛盾をね表しているんだよね
キ ええ!おもしろ!
味 ブラックとも読めるからね、夜っぽいしね
キ ああ~!確かに!すごい!!
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